患者の身体を「気血(きけつ※1)」の乱れとして全体的に考え、
そこに現れる総ての病症(びょうしょう※2)を十二経絡(じゅうにけいらく※3)
いずれかの変動とみなし、その中心となる経絡を治療目標として決定し、
補瀉(ほしゃ※4)という治療方式によって平らに調え、
生命力(病を治す力・生き抜く力)を強化する治療法。
(※1)気血: 気は空気、電気、気力、元気、気分などという「気」で
経脈の外を運行し血の働きを護衛するもので、その作用を知ることは出来るが
形をとらえることは出来ない。血は血液、体液、リンパ液の如く、
形を成して経脈の中を流動するものである。
(※2)病症:病気そのものの性質。
(※3)十二経絡:人間の身体を12の経絡の道筋で捉えます。
この経絡の流れが滞り、バランスが崩れると、
身体にいろいろな状態が現れるのです。
(※4)虚(弱くなった所)には、そこを補うお灸や鍼をします、
これを「補」といいます。実(強くなった所)異常興奮して
神経過敏になった所には、ここを瀉す「神経過敏を押さえる」
お灸や鍼をします。
経絡治療とは、病気を全身の変調、経絡-経穴の変動として捉え、全身を整え、体質を変化させ、
内部より自然快復させる治療法です。
一般治療が局部的部分治療であるのに対し、全身(体質自体)をコントロールするので、
快方までの時間が短く、今まで気がつかなかった他の部分まで一緒に治っていきます。
全身症状のある病気や、慢性疾患、アレルギーなどには特に効果が期待できます。
又、経絡治療は体質自体を改善し病気にかかり易い素因を除いてくれます。
定期的な治療をする事によって疾病を予防し、体力の向上をはかり、
健康管理の医術としての役割が注目されます。